ICチップを体内に埋め込み、キャッシュレス決済や解錠に使う技術が登場しています。
海外の一部(特にスウェーデン)で広がりつつあり、すでに数千人が利用中です。
今回は、ICチップ埋め込みによって得られる利点と課題について解説します。
未来感のある新しい技術ですが、日本での普及には時間を要しそうです。
体内埋め込みチップでキャッシュレス
「マイクロチップ」と呼ばれる非常に小さなICチップがあります。
スウェーデンのBiohax社が開発した、長さ1センチ・直径2ミリの米粒サイズです。
文字通り「手ぶら」で開ける
手の甲へ埋め込むことで、キャッシュレス決済や電子錠の鍵として使えます。
財布やカードを一切持たず手ぶらで生活できるため、注目されつつある技術です。
NFC決済に使える
現在主流のマイクロチップは、NFC TypeAと呼ばれる通信方式に対応しています。
海外で主流の方式となっており、電車の乗車券・電子マネー・カードキーなどに用いられます。
マイクロチップ利用者が増加中
まるでSFや映画の話にも聞こえますが、海外では実利用者がすでに存在します。
マイクロチップの利用者はスウェーデンが最も多く、若者を中心に広がっているようです。
スウェーデンはデジタル大国
スウェーデンは、元々デジタル技術に親しみのある国です。
現金決済率も数%と極端に少なく、現金が使えない店も珍しくありません。
マイクロチップが普及した背景には、国自体の文化も影響していると言えます。
利用者はすでに4000人以上
日々の生活環境でマイクロチップを活用できる点も重要です。
スウェーデンではキャッシュレス環境が整っており、NFCが大活躍します。
2018年の報道では、既に4000人以上が利用しているとのことです。
口コミなどで広がりつつあり、利用者数は今後も増加が見込まれています。
日本でも利用者が30人以上
SankeiBizの報道によると、日本でも既に30人以上がマイクロチップを利用中です。
埋め込みには注射針を使うため医師免許が必要となります。
医師法との兼ね合いなど、法整備がまだ追いついていない点が課題の一つです。
日本ではFeliCa対応が課題
日本で使うためには、ICチップの通信方式でも課題があります。
先述の通り、マイクロチップが対応している通信方式は「NFC TypeA」です。
しかし日本では、「NFC TypeF(FeliCa)」が用いられています。
Suica・Edyなどの電子マネー、タッチで使うカード類も殆どがFeliCaです。
つまり、今の日本でマイクロチップを埋め込んでも使えるシーンは限られています。
日常的に使うためには、FeliCa対応のマイクロチップが出るのを待つしか無いでしょう。
体内マイクロチップのまとめ
体内に埋め込んで使えるマイクロチップについて解説しました。
手に埋め込むことが多く、キャッシュレス決済や電子錠に使えます。
日本においては通信方式や法制度の面で課題があり、普及するのはまだ先となりそうです。