QRコード決済の統一規格である
「JPQR」が発表されました。
JPQR は、QR コードを複数の事業者で
共同利用するための仕組みとなっており、
今後は利便性の向上が期待できそうです。
目次
JPQR で各社の QRコードを統一
QR コード統一規格の正式名称は
「JPQR」(じぇいぴーきゅーあーる)です。
各社でバラバラのQRコードを統一すると、
以下のようなメリットがあります。
- QR が1つなので分かりやすい
- レジ周りのスペースを節約できる
- 読み取りミス(誤請求)を防止できる
同様の事例としては、
シンガポールの統一 QR コード
「SGQR」などが挙げられます。
JPQR に対応する決済サービス
JPQR を採用する決済サービスは、
現時点でまだ発表されていません。
しかし、JPQR の策定を主導した
「キャッシュレス推進協議会」の
参加企業から推測ができそうです。
企業名 | 決済サービス名 |
---|---|
(株)Origami | Origami Pay |
(株)クオカード | QUOカードPay |
KDDI(株) | au PAY |
GMOペイメントゲートウェイ(株) および 各地方銀行 |
銀行Pay |
(株)セブン・ペイ | セブンペイ |
(株)pring | pring |
(株)みずほ銀行 | J-Coin Pay |
(株)メルペイ | メルペイ |
ヤフー(株) ソフトバンク(株) |
PayPay |
LINE Pay(株) | LINE Pay |
楽天(株) | 楽天ペイ |
推進協議会に参加済みの企業から、
QR決済サービスを提供している
企業のみを抜き出してまとめました。
上記の QR 決済サービスでは、
JPQR に対応する可能性がありそうです。
JPQR の開始目標は2019年8月
キャッシュレス推進協議会によると、
JPQR の切替目標日は2019年8月1日です。
まずは、利用者がコードを提示する方式
(アプリを店員に見せる方式)から
導入することを目指しています。
QR コード決済の課題点
決済に使う QRコードには、
利用者や店舗を識別するための
専用番号が記録されています。
現在は各社がそれぞれのルールで
番号を自由に発行しているため、
他社と番号が被る可能性がある状態です。
支払い時に使う QR コードを間違うと、
他社の決済サービスで同じ番号を持つ
別ユーザに誤請求される恐れがありました。
コード重複で誤請求が発生する可能性
XXXペイとYYYペイを利用している、
AさんとBさんが居たと仮定します。
各社でそれぞれ番号を発行しており、
XXXペイのAさん・YYYペイのBさんが
偶然同じ番号になっている状態です。
AさんはXXXペイ払いのつもりでも
店舗側が誤ってYYYペイとして扱うと、
Bさんに請求が発生してしまいます。
その場でしか利用できない仮番号を
発行するなどの複雑な仕組みです。
QR コード内の番号を整備する
先述の誤請求パターンを防止するために、
各社で番号の付与ルールを定めます。
簡単な例としては……
XXXペイは先頭を「1」にする、
YYYペイは先頭を「2」にする、などです。
番号の重複を回避すると、
誤請求の発生も防ぐことができます。
QR決済の2方式に対応予定
QRコード決済には、
店舗側のQRコードを使う方式と
利用者のQRコードを使う方式があります。
JPQR では両方の方式に対応予定で、
どちらの方式でも安全性と利便性が
高くなっていきそうです。
決済各社が採用するかは不明
JPQR の規格自体は定まりましたが
決済サービスが採用する義務はなく、
どこまで普及するかは分かりません。
システム改修やコスト面の負担もあり、
採用を見送る事業者が出てくる可能性も
まだ残っています。
一利用者としては、
利便性向上のためにも
各社の対応に期待したいところです。
使える決済サービスの明示が必要
統一 QR コードの課題としては、
「支払いに使えるサービスが分からない」
という点があります。
JPQR のコードが設置されていても、
店舗が契約していない決済サービスは
支払いに使うことができません。
JPQR を設置する店舗では、
利用可能な決済サービスを明示することが
重要となってきそうです。
和歌山県などで実証実験を計画中
JPQR を用いた実証実験として、
以下の県で8月から利用可能となります。
実証実験では6ヶ月間の期間を設けて、
大手チェーンだけではなく商店街でも
キャッシュレス決済の導入を推進します。
- 和歌山県
- 福岡県
- 長野県
- 岩手県
和歌山県ではキャッシュレス決済比率が
全国最下位の 10.3% に留まっており、
今回の施策がどう影響するか注目です。
QRコード統一規格 JPQR のまとめ
- 決済各社のQRコードを統一する
- 1つのQRで支払えるため利便性が高い
- 店舗側の導入ハードルが下がる
- 誤請求の発生を回避できる
- 決済各社が採用するかは不透明