キャッシュレスの普及とともに、
ネット企業や小売各社から
スマホ決済アプリが多数登場しています。
各社がスマホ決済を始める理由は、
参入ハードルの低さに加えて
購買情報(データ)の存在が挙げられます。
決済サービスの購入履歴から
個人ごとに適したデータ分析を行い、
割引・集客などに活用できるためです。
目次
スマホ決済〇〇ペイが急増中
2020年5月時点では、20種類以上の
スマホ決済が利用可能となっています。
よく使われているのは以下6種類です。
- LINE Pay
- PayPay
- 楽天ペイ
- メルペイ
- d払い
- au Pay
2019年には セブン・ペイ、ファミペイ、
au PAY、ゆうちょ Pay、Jコインペイ
などが新たに登場しました。
スマホ決済は参入しやすい
スマホ決済(QR コード決済)は
他の決済サービスと比べて参入障壁が低く、
新サービスが次々と登場しています。
QRコードさえあれば決済できるため、
これまでの決済手段よりもシンプルで
コストが掛からない点が大きな特徴です。
利用する側としては、
次のようなメリットが挙げられます。
- スマホさえあれば誰でも使える
- ICカードなどの準備が不要
- 店舗側も決済端末を用意する必要がない
決済手数料の相場が下落中
クレジットカード・電子マネーなどの
決済サービスは手数料型のビジネスです。
店舗での決済金額から数%を請求し、
その手数料で運営されています。
しかし、近年登場してきたQR決済では、
システムが比較的シンプルなこともあり
決済手数料の相場が下がり始めました。
多くの企業が参画してきた現状は、
キャッシュレス決済の戦国時代です。
大手企業が決済手数料を無料としたり、
期間限定での手数料引き下げを行うなど
体力勝負の面も出てきています。
「決済手数料だけ」では
収益化が難しい状況となっており、
新たな収益源が必要な状況と言えます。
購買情報(データ)に価値がある
増え過ぎとも言えるスマホ決済ですが、
冒頭で触れたとおり「購買情報」が
各社の主な狙いとなっています。
スマホ決済を利用すると、
「誰が」「いつ」「どこで」「何を」
購入したのかが記録として残せます。
精度の高い購入履歴を活用することで、
従来よりも細かなマーケティングが
可能となってきます。
具体的な例としては、
次のような活用法が考えられます。
時期を予測した広告
消耗品の購入日から次の購入日を予測し、
関連商品の広告を配信する。
個人の傾向に基づいたオススメ
Amazon で出てくる関連商品のように、
実店舗での購入履歴を元にした
オススメ商品や関連商品を提案する。
客層を限定したクーポン
「30代女性」など、狙っている客層向けに
専用広告やクーポンなどを配信する。
購入履歴を分析したレコメンド
大量に集めた購買情報を分析し、
「Aを購入した人はBも買うことが多い」
といった関連性を抽出する。
その後、Aを購入した人に対して、
Bをオススメ商品として配信する。
乱立は消費者や店舗のためにならない
多数の決済サービスが乱立する現状は
あまり嬉しいものではありません。
各サービスに残高が分散する他、
店舗によって決済アプリが異なるといった
余計な手間も生まれています。
決済手段を導入する店舗側としても、
どのサービスを導入するか悩んだり
売上金が分散してしまう問題があります。
現状はまだ使い分けが必要な状況ですが、
キャッシュレス化が進むにつれて
自然淘汰が進んでいくものと思われます。
情報収集を拒否する仕組みが必要
データ活用により便利さは向上しますが、
監視されているようで不安に感じる人も
一定数存在しているかと思います。
しかし現時点では、
情報収集を拒否できる仕組みが
あまり整っていない状況です。
利用者の希望に応じて、
データの提供を拒否できるような仕組みが
今後求められていきそうです。
なお、行動データの収集については、
規制を強化する国が出始めています。
日本でも同様の流れが出てくれば、
状況の改善が期待できそうです。
スマホ決済が乱立する理由まとめ
- 日本ではスマホ決済が急増中
- 主な目的の一つはデータの利活用
- 決済手数料は引き下げ合戦の真っ只中
- 購買データからの販売促進がカギとなる