電子マネーで給与支払い、既存のキャッシュレス決済は対応できない可能性大

日本のキャッシュレス推進

日経電子版など一部の報道によると、
給料の支払い方法として
デジタルマネーが認められる予定です。

日本のキャッシュレス普及に向けた、
取り組みの一環だと思われます。

 
Suica や Edy、LINE Pay など
既存の電子マネーが対応するのかどうか、
現在出ている情報を元に考察します。

結論としては、LINE PayJコイン
pring などがキャッシュレス給与に
対応できる見込みがあります。

(本記事は推測を含む内容です。
 確定情報が出た場合に随時追記します。)

給与は現金支給のみ、銀行振込は例外扱い

そもそもの前提として、
給与支払いに関する内容は
労働基準法第24条で定められています。

法律上は現金払いが原則となっており、
銀行振込は例外として認められています。

今回の制度改定では、その例外の中に
「電子マネー」等が追加される予定です。

 
早ければ2019年にも実現する見込みで、
キャッシュレスの普及に向けた取り組みが
ますます広がってきたと言えます。

なお、今回の制度改定において、
仮想通貨は電子マネーに含まれません。

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キャッシュレス給料に使える条件

給料を電子マネーで支払う場合、
「現金で引き出せる&手数料不要」が
条件として設定される見込みです。

「現金で引き出せる」という条件は
結構高いハードルになると感じています。

少なくとも ATM に対応させておかないと、
「現金で引き出せる」とは言えません。

Suica, Edy, WAON などは非対応?

現在使われている電子マネーでは、
一度チャージすると現金に戻せない、
もしくは払い戻し手数料が必要です。

チャージできる金額の上限も問題です。
Suica は2万円、Edy は5万円しか入らず、
給与の受け取りには使えません。

既存の電子マネーでは、
キャッシュレス給料に対応できないと
思っておいた方が良いでしょう。

LINE Pay がキャッシュレス給料に対応する可能性も

スマートフォンで利用できるアプリ、
Kyash や LINE Pay についても考えます。

Kyash は現金に戻せないため、
給与払いに対応するのは難しいと言えます。

 
LINE Pay は資金移動業に登録されており、
銀行口座との連携や日本円への戻しが
すでに可能となっています。

セブン銀行 ATM とも連携しているため、
現状では手数料が掛かるものの
LINE Pay の残高を現金で引き出せます。

みずほ銀行と提携した LINE Bank など
金融業界に進出する動きも見られており、
今後の対応拡大が期待できそうです。

pring のキャッシュレス給与対応

スマホ決済アプリの pring (プリン) も、
資金移動業の登録を受けています。

入金・出金・送金がすべて無料のため、
手数料に関する条件はクリア済みです。

 
2019年3月からは、法人向けサービス
「業務用プリン」をリリースしており、
法人から個人へも送金可能となりました。

キャッシュレス給与が解禁されると、
pring でも支給が可能となりそうです。

Jコインペイで給料を受け取れる?

みずほ FG を始めとする複数の金融機関が
Jコインペイと呼ばれる電子通貨を発行します。

銀行口座とのスムーズな連携が特徴で、
決済や個人間送金にも使える予定です。

サービスは2019年3月開始予定ですが、
金融機関が主体ということもあって
法律面の対応が期待できそうです。

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スマホ決済アプリの上限額について

LINE Pay の上限金額は100万円で、
1ヶ月100万円以上の方以外は
給与を受け取れる枠も備えています。

スマホ決済アプリ「pring」でも、
100万円までの取扱いが可能です。

銀行が主体の「J-Coin Pay」では、
100万円以上でも送金を行えます。
(当初は暫定で25万円の上限あり)

 
これらのことから、
LINE Pay・pring・J-Coin Pay が
給与対応の候補と言えそうです。

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電子マネー会社が倒産したときの課題

給与を電子マネーで受け取った場合、
その保管や管理については
電子マネー提供会社に依存してしまいます。

電子マネーの運営企業が倒産や
経営破綻といった状況に陥った場合、
給与をどのように保証するかが課題です。

 
銀行や保険会社の倒産時と同様に、
利用者を救済できるような制度準備が
欠かせないでしょう。

発行保証金の制度見直しなど、
法律面での対応が必要となりそうです。

まとめ

既存のキャッシュレス方式が
給与受け取りに対応できるかどうかを
考察してみました。

現存する電子マネーの殆どが
小額決済を目的としているため、
そのまま対応することは困難な状態です。

LINE PayJ-Coin Pay・pring は、
キャッシュレスでの給与受け取りとして
使える可能性があるかもしれません。

今後の情報にも注目です。